アイデアの宝石箱やぁ<絵心について>

は天下の回り物だ!ただ、いつもこっちをよけて通るのが気に食わん。
                                                                 byツルゲーネフ『猟人日記』

     

    

こんにちは。ツルゲーネフじゃなくても、私だって気に食わない、ピコ麻呂です。

      

      

今回は絵心のお話。
私が今生業(なりわい)としている仕事は、CG制作。
CGといえばパソコンが勝手に描いてるんでしょ、と誤解している方がたまにいますが、クリエーターの絵心とセンスが決定的に影響します。
例えば素人のスナップショットと、プロカメラマンの作品とでは明らかな違いがあるように、CGの世界でも明確に差が出てきます。

一言で「絵心」といわれても、そのもつ意味は色々あります。
正確無比なデッサン力、独創的な色使い、観る者を引き込む構成力。
今回は、「絵が上手い」「絵がヘタ」と一般的に判断される大きな要素であるデッザン力について。

  

このデッサン力に代表される「絵心」、何故人によって違うのでしょうか。
よく「下手」と称される人の絵は、幼児が描いたような絵に似ています。

  

では、幼少の頃を思い出してください。(覚えてないと思いますが…)

   

幼児がクレヨンを掴んでグリグリと何かを描きはじめる。
最初はダーダー言いながら、紙にあたるクレヨンの感触を愉しむかのように打ちつけ、次第にクレヨンから繋がる色の軌跡を見たくてグルグルと紙上を走らす。しかし言葉を話すようになってから、意味のないクレヨンの軌跡が、急に何かを描き出す。
ママ、犬、太陽。覚えた単語と同じだけ、描くレパートリーが増えていく。

そう、何かを表現する絵には、必ず言語や具象の認知野とパターン認知野で脳が認知したものが描かれます。
例えば犬を描くとき、子供の絵は犬の形状や向きは気にせず、頭、胴、足+シッポを描いて犬を表現します。これは、犬をそれそれの部位で構成された言語(もしくは条件付)と、それに関連付けられた各形状のパターンとして認知しているからです。幼児は、足の長さや太さ、本数までは細かく識別できていないので、足を1本線で表現したり、3本足の犬を描いたりします。
実は、この描く対象の言語化が下手な絵を生むのです!

    

  

話しが少し飛びますが、みなさんはサヴァン症候群をご存知でしょうか?

    
映画「レインマン」でも登場した、特定の分野に限って常人には及びもつかない能力を発揮する方の症状のことです。
モーツァルトや、おにぎりで有名な山下清もそうではないかといわれています。
その中で、テレビでも取り上げられたスティーブン・ウィルシャーという画家がいます。
彼は10分から15分街並みを見るだけで細部まで記憶し、建物を窓の数まで正確に描くことができるのです。
特に彼の小さいときに描いた馬の絵は、大人が描いたように写実的で、私も結構衝撃を受けました。
彼の描き方は、網膜に映った画像をそのまま記憶して、その画像を言語化や条件付けせずに、ありのまま描くのです。

   

   
そこで結論

   

絵が下手な人は、小さいときから話し上手な人。

 
絵が上手い人は、小さいときから話しベタな人。

    

  

かなり牽強付会な結論ですが、意外と腑に落ちるような気もしませんか?

   

いや、俺は話しベタで絵も下手だ!どうしてくれるんだ!!といわれる方。

   
絵心はなくても、少し手心を加えてほしい、ピコ麻呂でした。

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ACT#002 小雪の店。-あと少し本。

とりわけ、こんにちは。夏口です。なかなかに暑い昨今、

○ 

小雪のやってる店で飲みたい。
http://www.suntory.co.jp/whisky/kakubin/cm/index.html


開店は夕方5時で、そこを狙って行く。
その時間帯のこの店の雰囲気が好きだからだ。

店の中は降りてくる黄昏の陽射しが差し込んでまだ明るいが、光の届かない部屋の隅はもうずい
ぶんと暗くなってる。

店に入ると、小雪は不在で弟の春彦が一人、いつもの顔でカウンター越しにニコニコ笑っている。
そもそも小雪はめったに店に顔を出すことがないのだ。

話を聞くと、なんでもこの店は二人の親父さんが、お袋さんと別居中に始めた店で、今はその両親も
よりが戻って外国で小さなレストランをやってるらしい。
だからこの店は子供たち二人がまかせられているというワケだ。

もっとも春彦に言わせると姉の小雪は、弟にとっても掴み所が無い存在らしく、料理の仕込みを終える
と後は弟に任せて早々に上がってしまい、営業時間中に店にいる事はほとんどない。家にまっすぐ帰っ
ているのか、それすら知らないという。それに一緒に住んでもいないのだそうだ。

あれはもうかなり前の事になるけれど、僕がこの店に初めてふらっと入った時、小雪さんがいた事自体
そもそも幸運だったようだ。たしかにそれ以後一度もその幸運に恵まれたことはない。

店はあくまでもバーなので飲みメインだけれど、FOODがやたらと充実してるのがこの店の特徴だ。
僕はもともとお酒を飲む時にそれ程食べる方ではないが、ひと手間かけた一品ものの鉢なんかが、カウ
ンターにずらっと並べられているのは悪くない。

料理にひと手間かける。

というより、簡単な手間の積み重ねが、すなわち料理するという事である。このことを僕は伊丹十三の
一連のエッセイから学んだ。

quod vide:
「ヨーロッパ退屈日記」 http://itami-kinenkan.shop-pro.jp/?pid=14582650
「日本世間噺大系」 http://itami-kinenkan.shop-pro.jp/?pid=14582778

 ○

同じく、料理する事の面白さ。
というより、料理するもの、生姜と大蒜をきらしてはならない。(僕はそれ程、料理をする方じゃない
けれど)
このことを檀一雄の名著「檀流クッキング」で知った。

 ○

カウンターの席に座ってそんな事をぼんやり考えながら、弟・春彦の陽に焼けた満面の笑みを
見ていたら、何やら
いささか忸怩たるものを覚えた。もう陽が暮れてしまったのだ。

 今度、春彦が近くの海までサーフィンに連れていってくれるそうだ。

 

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近未来のスクーター。[パーソナルビークル編-その4]

みなさんこんにちわ。さすがに毎週はもう無理だろ!  な“´y`A”です。

次回からはペースダウンでお願いします。と逃げを打っておきます。

さてスクーターですが、前回 ”がんばる!”と言った割りに創り込み。全くもって進んでおりません。
なので、マテリアルを流し込んでレンダリングをして…
そんなことをしておきます。

特に変わったマテリアル設定などないのでいたって普通ですが、ボディをちょっと光沢を付けた
プラ色に変えてタイヤなどを黒くして…とお決まりな色に変えて行きます。

元絵ではライトは巨大リフレクターの付いたハロゲンライトっぽいのをイメージしてましたが、
これじゃフォグランプ並みの照射角になりそうだし、第一に本体の一番高い位置にフォグを付ける愚考!!
なので、小型プロジェクターをテンコ盛りに変更。
このレンダリングでは分かりにくいのですが、フロントホイールに外周型のドリルドディスクブレーキなどを
設定したり。S字断面キャストのスポークを作ったりとちょっと時間の在った時には
見えない無駄な所ばかり作りこんでいましたとさ。
その割りにトップブリッジ、Fフォーク、ピボット、Rアームやショックといった隙間からチョコッとでも見えるパーツは
全く出来ていません。  

ああああああ いつもの事ながら取捨選択と拘り、時間配分の両立など、これっぽっちも出来てませんね~

こんな所にも人生の縮図が…

いいのさ。これからフルカバードのフェンダーも部分部分で切り欠いてメカメカパーツをチラっと見せるのさ。
それにしてもカーボンテクスチャって偉大ですね。貼るだけでなんかソレッぽく見えるんだから。見えてません?

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近未来のスクーター。[パーソナルビークル編-その3]

みなさんこんにちわ“´y`A”です。
だんだん本業がバタバタしてきて、ブログどころではなくなってきているのですが…
これも御勤めの内!!

さて、スクーター。 前回でザックリカタチは出来てきたけどなんか足りない?

そう ハンドル。

ココは未来のハンドルをガッツリ! と思ったりしましたが…先ず、現状を確認して。
今の世の中のハンドルスイッチ類。合理的で結構シンプルな構造だったりして。
タッチパネル式のスイッチ類も考えましたが…、見ながら操作する部分ではないので
確実な作動感がやっぱり大事。
なので触り心地というか、人間工学的なところだけちょっと考えたつもりになって、
現状のと大差ないデザインでモデリングスタート。

一応スクーターとはいえセパレートタイプのアジャスタブル式がいいよね。
絞ってなければ自然な位置関係にセット出来そうだし。
プリミティブの円柱やボックスから編集可能ポリゴンにしてモリモリ作っていく。

そういえば昔´y`Aは単車に乗ってたのですが、転倒した際に歪んだクラッチレバーなどを
なかなか交換せず、変な握り方になったりしました。一刺し指一本でグリップして
後はレバーに指かけてたりとか…転んでもレバーが簡単に歪まないのがいいな。
それに転んだ際にアクセル全開で引きずったりして焼きついたりとか嫌だし

グリップエンドは絶対必要ですね。


で、軽くレンダリング。レバー類は次回に持ち越しか~。
ペースを上げねば…時間が掛かれば掛かるほど全ての要素が完了する頃にデザイン的に気に入らない箇所とか
絶対出てきて永遠にこればっかりする事になりそう。

ちょっと盆明けから頑張ります。

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ラボに潜入!リアルスコープ②

こんにちは。ラボのお茶くみ係、池DAですpigheart04heart04

今日こそナゾ多きCG会社、シージーラボの内部に潜入してみましょうwink
リアルスコ~プtyphoon

TMMビルまでやってきました。
では、ビル内に入ってみましょうかrockshine
エントランス
ちなみに、夜間はシャッターが閉まってしまいますので、左手の通用口から入ります。
お電話telephoneいただければ5分で高性能オートロックが開きますkey

インフォメーション
えーと、ラボは・・6階。

エレベーターは一番奥にあります。
エレベーター
エレベーターをぐいぐいっと6階まで上がってもらえれば・・

はい。

やってきました。
ラボ入り口
向かって右手に見えるのが、有限会社シージーラボですhappy01shine
ようこそお待ちしておりました。
さっそく入ってみま・・

あ、おはようございます。

いつもありがとうございます。

いえいえ、こちらこそ、おかげさまで・・

6階担当のビル清掃のお姉さんです。
お姉さん
TMMビルはお姉さん達のおかげでいつも清潔shineぴかぴかshineですconfident
ちなみにこちらのお姉さん私服がとてもかわいいですlovely

今日はここまで。

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アイデアの宝石箱やぁ <見えない恐怖>

世襲が日本の政治をゆがめてきた。 世襲の私が言うのだから間違いない。
 ただ私は親せき縁者のいない北海道から立ったので若干大目に見てほしい。」
                                         by鳩山由紀夫

  

こんにちは。
前回、前々回と、ブログのタイトルと中身が違うじゃないかとご指摘を受け、
若干大目に見てほしい ピコ麻呂です。

  

みなさんは、「地球が静止する日」という映画をご存知でしょうか?
2008年に公開された、キアヌ・リーブス主演のSF映画です。
この作品は、1951年に公開された同名映画のリメークなのですが、
そこに登場する無敵ロボットの「ゴート」
巨大で表情がない不気味な容姿なのですが、その画像がこちら。

  

誰?

誰?

違いました。こちらもある意味不気味ですが、一応ヒーローです。
検索したら、関係ないのに何故かこの画像が上位に。

改めてこちら。

不気味です。


あまり友達にはなりたくないタイプですね。

このゴート、一線を越えると突然、体が砂塵のように霧散します。
その塵一粒ひと粒が、目に見えないほどの小さなロボットで、あらゆる物質を分解してしまうのです!
やはり友達にはなりたくありません。

  

このように、巨大なスタジアムもひと飲み。
 

地球上どこに隠れようとも、全てを分解する上に極小サイズなので、防ぎようがありません。

映画の世界でよかった、とホッとしている、そこのあなた!

実はこの空想の産物が、現実になろうとしているのです!

  

今回は、この見えない恐怖、ナノロボットについて。
恐怖、と書いてしまいましたが、これはこれで、すごく人間の役に立つテクノロジーと期待されています。
なにせナノサイズなので、ミクロの決死隊よろしく、血管のなかを自在に動いて病原体を直接やっつけてしまうことが出来るのです。
また、脳内に送り込めば、数千億個のニューロンの信号の受信機となって、外部のコンピューターとネットワーク接続することが可能となり、脳の機能を大幅に拡張することができるようになるといわれています。

なんか遠い未来の話のように思ってしまいそうですが、現在でも、ナノサイズ(分子サイズ)のロボットが既に存在しています。
そして、2030年頃には遺伝子工学(G)ナノテクノロジー(N)ロボット工学(R)のGNR技術で病気も老化もしないようになり、今世紀半ばころには不死に達するというバラ色の人生がまっています。

  

その夢のようなことが書かれている本がこちら。

もうね、納期に追われてあくせくパースを描いているのが馬鹿らしくなってくるような内容です。
(うそです。頑張ってパース描きます)

 

でも、このナノボット、悪意のあるものが使うと映画のように人類を滅亡させることが出来てしまう、恐ろしい技術なのです。
また、悪意がなくても、自己複製型のナノボットが癌のように暴走してしまうと、最短で90分もあれば地球上の全ての物質を飲み込んでしまうことができるのです。まさにゴート!
テクノロジーは、人間の生活に豊かさを与えてきましたが、常に表裏として人間を害する恐怖も与えてきました。
典型なのが核兵器。
人類は、この短期間で目覚しく発展してきたと同時に、人類全てを滅亡させかねない巨大な力をも手に入れてしまったのです。
この先、テクノロジーの進化は止めようもなく指数関数的に増大していくでしょう。
それと同じく、常に人類滅亡の恐怖を克服しなければならなくなります。

  

いつか、地球が静止する日が来るのでしょうか?
そうならない事を祈らずにはいられない、ピコ麻呂でした。

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近未来のスクーター。[パーソナルビークル編-その2]

みなさんこんにちわ“´y`A”です。

今のところ毎週更新できてますね~。私個人のブログが疎かになってますが…まあそれは仕方がないとして。
前回の最後でタイヤ寸法を間違えたまま終了したので、まずそこから直すとして。


今度はややワイドになった感アリですが、まあそれは良しとしましょう。元絵でもバルーンタイヤか?!と
言うほどデカイの描いてますし。で、サイドウォールの出っ張りも強調したレーシーなタイヤにしてみて
おもむろに名前とか刻み込んだりして…  覆い隠すんですけどね。
で、こじんまりしたホイールリムを。 ココはベーシックな感じで。80年代のヤマハ系レースマシンのホイール
がカッコよかったのですが、余り引っ張られすぎないデザインを考えなくっちゃな~ 
でも、きっと作るとしたら ホンダっぽいキャストとかになるかな? 

全然関係ないけど、コムスターホイールが心の片隅に引っかかっていて、昭和テイスト的に迷うところ。


と、そんな見えないところばかりに気を取られてしまうところが、なんとも序盤から自分らしい。
え~次はボディに!
外寸のBOXを薄く表示しながら適当に編集可能ポリゴンで形をモリモリ作っていく
主に押し出し系を使うので、”モリモリ”って表現が感覚的にぴったりですね。
後で細かくも出来るし。
モデルの人型ちゃんに御登場願って雰囲気を確認しながら、モリモリモリモリ
ザックリモデリングは楽しいね!! 
そしてまた関係ないけど、´y`Aのモデリングは結構 精神状態に影響されることが多いのです。
作れる気になってるときは、次から次からアイデアが浮かんでモデリングの方法論で悩んだりしないけど
ダメな時は、いったいどうやったら”そのカタチ”にたどり着けるのかまるで想像も出来ない。
そして、ダメなときに無理してゴリゴリ作ったデータは、やっぱり後からは使えない。
そのメンタルの起伏を平らにしてこそプロなんだけどね…
脱線脱線。

 
リアタイヤ付近にまでたどり着いた。 元絵では一体型だけど、このままじゃリジットになるモンね
リジットのバイクは乗り心地が… なのでショートショックを入れることにします。
どんどん未来から現実へ向かってる気がするけど、ディテールを入れずにリアリティを出す事が出来るまでに
表現力がついていないのだな~ 拘りたいだけとも…
まま いいんです。

で、今回はこんな感じ! マテリアル全く作ってね~。 でもなんかこんなポップな感じもいいかもしんない。
同じMAX使いの方からは失笑されそうですが…

(せめてタイヤは黒にしないと締まらないですねぇ)

次回はボディを整えつつ、いよいよ細部に入っていきます。(こっからが長いんだよね~)

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ACT#001 朝焼けと夕焼けと思い込み。-あと少し映画。

うちの事務所の隣りのセブンイレブンで、大量に平積みになってる浜村淳のカレーが全く売れてない。
それはそれとして、はじめまして、夏口です。
いったい、どういう成り行きでこのブログを始めることになったのかよく覚えていないけれど、スタッフ
の何人かが既にスタートさせてるように、それなりに作品制作にまつわる、その周辺の悲喜こもごも
をCG屋の視点で、映画、映像、音楽、小説にこじつけて切り取っていきます。宜しくどーぞ。

先日、クライアントからこんな依頼。
『こんどの外観パース、薄暮っぽい朝焼けでいってみたい』

さー、パース表現にとって時間帯の設定は重要項目のひとつ。とくに「薄暮」の場合、本来は夕方の
黄昏を意味するが、その語感・字面のせいで赤系統色の比較的弱い青っぽい空を指示されている事
が多い。最終成果品の色イメージのコンセンサスを持つ為には、サンプル画像の提示が手っ取り早い。


クライアントは続ける。
『映画の「トラトラトラ」あるやろ。空母から零戦が飛び立っていくシーンの空のあのカンジや』

「トラトラトラ」は、いかにも古い。けれど、はい、もーサンプル提示の必要なし。了解しました。

かのシーンは、夜が明けていく中、真珠湾攻撃に向けて空母から零戦が次々と発艦していく背景で、
夜が朝に変わる瞬間の空の、凛として透き通った空気感が見事にフィルムに焼付けられた映画史上
屈指の名シーン。この空がたしかにぐっとくる。

ちなみにこの大作映画は後半の実写空爆シーンも含めて、CG屋にとって観るべき所に事欠かない。
ディテールもいい。例えばその空母からの発艦シーン。甲板には零戦をいっぱい搭載しているので
一番機の滑走距離が短くて、離陸してすぐに零戦の機体がぐっと沈んで空母の陰から一瞬見えなくる。
リアリティーのある描写。物語も追従する。司令長官の東野英治郎が離陸直後に空母の陰に消えた零戦
を見て不安げに”おやっ”て顔。けれど次のカットで、すすーっと零戦の機体が空母の陰から浮かび上
がってくる。その時、東野栄治郎が安堵してニコっと微笑む。ブラッカイマーくんとは別なカンジ。

夜が朝へと変わる瞬間と言えば、英バンドColdplayの楽曲「Yellow」のPV。ワンアイデアものだけ
れど、空気の中に情感が溶け込んでいくようでうまい。大酒飲み続けた朝方、60型位の大画面で観た
ら泣けた。

さて、朝焼けの焼け具合の着地点は見えた。
とはいえ、赤みのある朝焼けの表現というのが、なかなかの曲者で下手すると夕焼けに見えてしまう。

しかしそもそも、
夕焼け空と朝焼けの空と何が違うんや、と。

昼の空が青くて、夕方、明け方の空が時折り赤へのグラデーションで見えるのは、
要は地球表面を覆っている空気層に対する太陽光の入射角度の違いの話。
可視光線の中で波長の短い青と長い赤が、大気圏の空気の厚みの違いで散乱する度合が変化すること
で空の見ための色彩は変わってくる。

であれば、なんとなく夕焼けの方が朝焼けより赤っぽさ率が高いようなイメージがあるけれど、
現状の科学的解釈としては、夕焼けも朝焼けも同じ現象だ。
(本当は温度差だとか、地球の自転ベクトルと速度の問題だとか、学者の研究の余地はあると思う)

だから例えば、徹夜明けで家に帰って夕方頃まで寝てしまい、目が覚めて窓の外の黄昏空を観た時、
錯覚してしまう。『あれっ、まだ夜明けか、もう少し寝よ』
目覚めた時は朝、という長年のすり込みというか、思いこみの成果である。

まー、つまりは夕焼けと朝焼け、同じ状態なのに、そこに違いを観るのは人間の思い込みの範疇という
ことになる。(例えば、海に沈む太陽と昼に頭上にある太陽とどちらが大きい?当然、両方とも同じ大
きさだ)

さらにその上、人間には夕陽に悲しみ、寂しさのようなダウナー気分、朝日には希望のようなアッパー
気分を重ねてしまう癖もある。

「スターウォーズ/EP2」で、アナキンはママが殺された後、惑星タトゥイーンの二重太陽の沈む夕焼
けに悲しみと怒りを重ね、「EP4」では息子のルークが同じく惑星タトゥイーンの大地に立ち、旅立
ちを許されない失意の中、二重太陽の真っ赤な夕陽を見つめる。ルーカスはこの夕焼けのカットを意図
して制作している。そしてそれは「EP3」の最終カットへと連続している。

「Always三丁目の夕日」は表現として夕焼け空に、時代が暮れていく寂しさと、その向こうに必ずくる
朝の希望まで重ねていた。

つまり、朝焼けや夕焼け、ただそこにあるだけの空に、表情として違いを感じる人間の方の都合という
か、その時々の個人の心のあり方が空には投影されているのだ。

技術的な課題も沢山あるけれど、表現力によって人間のその思いこみを喚起誘導していければ言うこと
はない。

さらに物語を感じさせるようなものを作っていければいい。

まー必ず夜は明けるし、また一日頑張っていきましょ。

それはそうとして、淳は夕焼け空に何を見ようとしているんだ。


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アイデアの宝石箱やぁ<錯視の世界 その2>

「君、ルートって知ってる?
   最近の人はルートも知らないんだよね。 いいかい、3.141592・・・
                                                                                         by菅直人

  

  

こんにちは。
不惑の歳になっても、まだまだ知らないことは沢山ありますが、
ルート円周率の違いくらいは知っている、ピコ麻呂です。

  

前回、錯視についてお話ししましたが、今回はその続きです。

脳は、視覚や言語など、全ての事象をパターンとして認知・記憶する構造になっています。
「近頃の若いヤツは…」とか「彼はAB型だから、しかたがない。」など、
(パターン)に嵌めて効率的に記憶するのです。(少し違う気はしますが…)

   
視覚においても、パッとみて車やテレビなど見分けられるのも、車やテレビをパターンとして
記憶していて、「車ならこんなカタチ」と類推して視覚野に投影するため、車と認識できるのです。

先天的に視覚障害のある人が、後天的に視覚を回復した事例では、
本来視覚は回復しているはずなのに、モノとして何も認識できないそうです。
つまり、脳の視覚野とパターンの記憶が結びついていないため、
全体的にぼやっと見えるだけで、人も車も見分けが付かないのです。

何か難しい話になってきましたが、今回は、視覚野のパターン化の産物である
「擬人化」についてのお話し。

  

  
獣の衣装に身を包んだ人類最強種族である関西のおばちゃん 

 


彼等は、パターン認知能力にも優れています。
おばちゃんは、「にーちゃんえ~子やね。ほら、アメちゃんあげるわといってアメを擬人化し、
ちゃん付けして高度に認知しているのです。
他に、「このお豆さん、よ~味がしゅんでる(染みてる)わぁ」と、こちらもさん付けして
を擬人化しています。

因みにアメはちゃん付けなのに、豆をさん付けするのは、私たちには窺い知れないヒエラルキー
あるのでしょうか。
私はよくおばちゃんから「にーちゃん」と呼ばれますが、
お豆さんより下層の種族として扱われているようです。

今度から「お豆にーさん」と呼ぶことにしましょう。

  

  

…話しが少し逸れましたが、今回ご紹介するサイトは、コチラ

           顔道(かおどう)~顔に見えるもの~

   

色々な物に潜む「顔」を掲載しています。

これも広い意味での「錯視」であり、「擬人化」です。
私たちは意識下で脳内のシナプスの結合を自在に変えることが出来ないため、
一度「顔」と認知してしまうと、もう顔にしか見えません。
視覚は、眼で見るというより、脳で認知する、といえます。
従って、ありのままを観る、ということは出来ず、脳の検閲が掛かったものしか
意識下では知覚できないのです。
脳検閲、恐るべし。

  

  

因みに最新のテクノロジーを駆使した脳内解析ソフトを使って、私の脳内を解析すると、

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

おぉ!私の脳の深部にはリビドー(性衝動)が眠っているのか?!

  

…失礼しました。

視覚と脳の関係は、まだまだ面白いことがいっぱいです

    
今回も、タイトルとは関係のない薄い内容になってしまい、野次が飛んできそうですが、

「私は貝になりたい」擬貝化して黙して語らない、ピコ麻呂でした。

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アイデアの宝石箱やぁ <錯視の世界 その1>

UFOは存在します。 あなたは一日中空を眺めた事がありますか
                                       by矢追純一

こんにちは、ピコ麻呂です。

私は一日中空を眺めれるほど暇ではないので、UFOを見た事はありませんが、
人によっては「幽霊を見たことがある」とか「座敷わらしを見たことがある」とか、
「白いワニを見たことがある」(by江口寿史)とか、真偽を疑うような目撃談をよく
耳にします。
当人は、確かにこの眼で見た!と言っているので、
言下に否定すると、人格否定と受け取られかねないため、
「へぇ~」と、テキトーに相槌を打っている人を、今まで数多くこの眼で見てきました。

『百聞は一見に如かず』とは言いますが、見えるものは全て正しいのでしょうか?

実は、目の前に見えている世界は、脳が都合よく作り出しているええ加減な世界なのです。

 錯視という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、人が視覚として処理している画素数は、
一昔前のデジカメ以下といわれ、不足している情報を、脳が記憶と経験から補間してるため、
その補間を逆手にとれば見えないものが見えてしまう!ということになります。

 下の画をご覧ください。

有名な錯視ですが、
Aは濃く、Bは薄く見えると思います。
しかし、実はまったく同じ濃さの同じ色なのです!

そなアホな、と思った人は、ここのサイトでお試しあれ。

パースの仕事をしていると、よくクライアントから「このタイルの色が全然違う!」
言われることがありますが、「それはあなたの脳の錯覚です。」と、一度でいいから
言ってみたい!と思いつつ、夜な夜な修正しているのが現状です。

 

アイデアの宝石箱やぁ 銘打って、どこにアイデアがあるねん!っと突っ込まれそう
ですが、今後は、有象無象思いつくまま書き殴った中から、将来となるようなアイデアが
見つかればいいかなぁ、と錯視ぎみに見る ピコ麻呂でした。

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