金は天下の回り物だ!ただ、いつもこっちをよけて通るのが気に食わん。
byツルゲーネフ『猟人日記』
こんにちは。ツルゲーネフじゃなくても、私だって気に食わない、ピコ麻呂です。
今回は絵心のお話。
私が今生業(なりわい)としている仕事は、CG制作。
CGといえばパソコンが勝手に描いてるんでしょ、と誤解している方がたまにいますが、クリエーターの絵心とセンスが決定的に影響します。
例えば素人のスナップショットと、プロカメラマンの作品とでは明らかな違いがあるように、CGの世界でも明確に差が出てきます。
一言で「絵心」といわれても、そのもつ意味は色々あります。
正確無比なデッサン力、独創的な色使い、観る者を引き込む構成力。
今回は、「絵が上手い」「絵がヘタ」と一般的に判断される大きな要素であるデッザン力について。
このデッサン力に代表される「絵心」、何故人によって違うのでしょうか。
よく「下手」と称される人の絵は、幼児が描いたような絵に似ています。
では、幼少の頃を思い出してください。(覚えてないと思いますが…)
幼児がクレヨンを掴んでグリグリと何かを描きはじめる。
最初はダーダー言いながら、紙にあたるクレヨンの感触を愉しむかのように打ちつけ、次第にクレヨンから繋がる色の軌跡を見たくてグルグルと紙上を走らす。しかし言葉を話すようになってから、意味のないクレヨンの軌跡が、急に何かを描き出す。
ママ、犬、太陽。覚えた単語と同じだけ、描くレパートリーが増えていく。
そう、何かを表現する絵には、必ず言語や具象の認知野とパターン認知野で脳が認知したものが描かれます。
例えば犬を描くとき、子供の絵は犬の形状や向きは気にせず、頭、胴、足+シッポを描いて犬を表現します。これは、犬をそれそれの部位で構成された言語(もしくは条件付)と、それに関連付けられた各形状のパターンとして認知しているからです。幼児は、足の長さや太さ、本数までは細かく識別できていないので、足を1本線で表現したり、3本足の犬を描いたりします。
実は、この描く対象の言語化が下手な絵を生むのです!
話しが少し飛びますが、みなさんはサヴァン症候群をご存知でしょうか?
映画「レインマン」でも登場した、特定の分野に限って常人には及びもつかない能力を発揮する方の症状のことです。
モーツァルトや、おにぎりで有名な山下清もそうではないかといわれています。
その中で、テレビでも取り上げられたスティーブン・ウィルシャーという画家がいます。
彼は10分から15分街並みを見るだけで細部まで記憶し、建物を窓の数まで正確に描くことができるのです。
特に彼の小さいときに描いた馬の絵は、大人が描いたように写実的で、私も結構衝撃を受けました。
彼の描き方は、網膜に映った画像をそのまま記憶して、その画像を言語化や条件付けせずに、ありのまま描くのです。
そこで結論。
絵が下手な人は、小さいときから話し上手な人。
絵が上手い人は、小さいときから話しベタな人。
かなり牽強付会な結論ですが、意外と腑に落ちるような気もしませんか?
いや、俺は話しベタで絵も下手だ!どうしてくれるんだ!!といわれる方。
絵心はなくても、少し手心を加えてほしい、ピコ麻呂でした。











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